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桐谷ヨウ@blog

桐谷ヨウのメインブログ。恋愛・コミュニケーション・海外・文章を書くことについて。


【ラクで爆速】親指シフト入力を習得するメリットを俺なりに書いてみる。

特集 特集-親指シフト

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 この記事は「親指シフトって何?」「聞いたことがあるけど何がいいの?」という人に対して、習得を前提として特徴を書いたものになる。(けっこう長いです)

 なお、俺自身は快適に使っているけれど、習得コストがそれなりに高いので、万人に親指シフトをオススメしようとは思えないのが本音である

親指シフトとは?

 ローマ字入力でも、JISかな入力でもなく、親指シフト入力という日本語のタイピング方法がある。

 1980年代、ワープロ全盛期に人気を博したが、JIS規格化されず、パソコンへの移行期に淘汰されてしまったキーボード配列だ。いまのアラサー以下は、特にこだわりがない人はほぼ例外なくローマ字入力を使っているはずだ。

 いまでも親指シフトは大量に文章を書く人たちを中心に根強い人気があり、当時から親指シフトを使っていた人は、パソコンにエミュレーションソフトをインストールして、擬似的に親指シフトの環境を再現させている。最近ではローマ字入力の1.7倍の速度で打てると喧伝されている。


 俺自身は社会人になりたての頃に、勝間和代さんの著作で存在を知っていたが、習得が面倒くさそうだったので放置していた。色々思うところがあり、今年の2月に基礎練習を開始し、4月下旬にすべてのシーンで親指シフトに本格移行、現在は完全にマスターしているので、この機会に書いてみようと思う。

 親指シフトの特徴はこのあたりになる。

・30個のキー(ホームボジション)ですべてのかなと句読点が打てる。
・それを実現させているのが親指シフトキー。これらを同時打鍵することで、1キーに最大3つの役割を担わせる。
・使用するキー範囲が狭いので、ブラインドタッチが容易。
・上記により、楽に、速く文章が書ける。


 親指シフトに取り憑かれた人は、ほとんど魔法のようなことを言う。大体こんなところか。

・言語の一音(モーラ)と一打鍵が対応しているのが快感。
・思考→文字入力のプロセスで、ローマ字変換をかます必要がない。
・あたかもしゃべるかのように、指で打てる。
・脳内とディスプレイが直結する。(=キーボードを意識しないで、文字入力できる)。

日本語を日本語のまま打つ快適性

 まずは最初の2つについて。

・言語の一音(モーラ)と一打鍵が対応しているのが快感。
・思考→文字入力のプロセスで、ローマ字変換をかます必要がない。

 これは本当に素晴らしい。

 ローマ字入力では「僕は君を愛してる」に「bokuhakimiwoaisiteru」と20タイプする必要がある。かな入力では「ほ゛くはきみをあいしてる」の12タイプになる。これが親指シフトでは、「ぼくはきみをあいしてる」と音声どおりの11タイプで済ませることができる。

 マスターするとローマ字入力よりも、かな入力の方が速いと言われる所以である。

 かな入力のデメリットは濁音などを個別に打つ必要があることだ。たとえば、「ぼ」を「ほ+゛」と考えながら思考している人はいないはずだ。が、入力時にはそれを強いられる。(句読点にもシフトキーを使用する必要がある。)おまけに、ローマ字入力では使用しない数字キーまでかなが割り振られているため、指の可動範囲が広い。

 親指シフトではこの点が免除されているため、すべての日本語を一音一打鍵で打てる。唯一の弱点は、促音拗音を個別に打たなくてはいけないことか。たとえば「あっ」や「しゃ」は「あ+っ」「し+ゃ」になってしまう。この点は、ローマ字入力では差異を感じにくい部分なので、独自の慣れが必要になる。


 さて、ローマ字入力に慣れ親しんだ人たちは、ローマ字に変換していく行為を無意識にできるようになっているはずだ。「僕は君を愛してる」とタイピングするときに、「bokuhakimiwoaisiteru」と脳内で意識した変換をしてからでないとタイピングができない人は、初心者くらいだろう。
 俺も脳内で無意識に行われているローマ字への変換行為は、思考を邪魔していないと考えていた。が、止めてみるとそのオーバーヘッドがいかに大きいか気づかされた。

 そう、体感している以上に「ローマ字に変換する常駐ソフト」に無意識の脳内メモリを食われていた。親指シフトを使い始めて、それを止めた恩恵は「同等の長さの文章を書いても、疲労度が小さい」というかたちであらわれることになった。端的に言うと、日本語を書くのがラクになったということである。

 速度面ではe-typingの測定では、分速200文字以上のスピードになっている。ただし、実際に原稿を書く際には「考えながら書く」「書きながら推敲する」ので、ここまでの速度は出ない。理論上は時速12,000字ということになるが、実績値は3,000字くらいかな。


 参考情報だけど、自分はローマ字入力時代はe-typingのスコアが300を少し下回るくらいだった。我流ブラインドタッチでそこそこ速く打てるって感じでしょうか。もっと習熟している人は、「ローマ字変換常駐ソフト」の影響がもっと小さいと思われます。

 とはいえ、どんなに速くても2打鍵が必要という事実は変わらなく、その点で「せわしなくタイピングしなくてはいけない」のは免れない。

 そういった意味で、7割程度の速さでタイピングしても、1.2倍の文字入力ができる親指シフトが「ラク」な入力方式なのはまちがいないと思われます。(そこを気にしない場合、爆速でローマ字入力をできる人が、速度を求めて親指シフトに切り替える必要は正直ないと感じます)

 おそらく一般的には、頭のなかのものを文章にするときの快適性は「手書き>>親指シフト入力>かな入力>>ローマ字入力」という序列を感じる人が多い気がする。


 なお、一説によると人間が1日に取れるアクションは回数に限界があるようです。それを超過すると別のアクションで代替するようになるのだとか。
 つまり、親指シフトで「打鍵数の削減」ができるようになると、1日あたりで書ける文字量のキャパシティも結果的に増えるのかもしれません。

d.hatena.ne.jp


指がしゃべる? キーボードが消える?

 そして魔法のようなこれらの意見。ローマ字入力を併用できる人たちが、親指シフトに固執するのはこれが理由のようです。

・あたかもしゃべるかのように、指で打てる。
・脳内とディスプレイが直結する。(=キーボードを意識しないで、文字入力できる)。

 現時点では、俺にはまだ完全にはわからないというのが本音です。文字入力がリズミカルで省エネ=快適にはなったけど、そこまでだろうか?(笑)

 勝間和代さんや樹林伸さんは「指がしゃべる」とおっしゃっていて、あるサイトでは「キーボードが消滅する」と書かれています。


 ただし、最近まで「一音一打鍵の快感」に意識が引っ張られている感覚が自分でもあり、「音声のリミッターが邪魔している」という意見を読んで目からうろこが落ちました。要は、黙読すればはやく読めるのに、音読するような感覚でタイピングをしていたようです。

 これに気づいてからは、頭の想念の塊をそのまま指に任せて入力する訓練をしていますが、たしかにキーボードを打鍵している感覚が薄れてきました。もう少し習熟すると気づいた時にキーボードが消えるのかも。まぁ、ローマ字入力の習熟度も何年もかかって身につけたものなので、焦る必要はないかなーといまは思っている。たかが数カ月で10年選手と同じようにはいかないよね。

親指シフトのハードル 〜一打鍵が複雑〜

 最後に親指シフト入力を習得する上でのハードルについてしゃべります。

 親指シフトでは、右手人差し指の「j」をそのまま押した時に、「と」が出力されます。
 次に、右手親指シフトと同時に同じキーを押すと「お」が出力されます。
 最後に、左手親指シフトと同時に同じキーを押すことで「ど」という濁音が出力されます。

 ローマ字入力と親指シフト入力の1タイプが単純比較できないのは、ここです。つまり1アクションが複雑なんですよ。これは慣れにより複雑だと感じなくなるものですが、最初に操作パターンを覚える…これは配列図を頭で暗記するだけでなく、「手続き記憶」として指で覚える必要があります。手続き記憶とはスポーツやゲームで使われる身体的な記憶です。

 この「独特のタイピング」は他にないもので、最初は配列がわからないイラつきだけでなく、脳の使ったことのない部分を使うことで生じる「体験したことのない疲れ」を感じます。おそらくここで多くの人は挫折しているのだと思われます。

 そして、同時打鍵…通常シフトキーのような、「ながら押し」ではなく、「同じタイミング」で同時打鍵するため、指の動きが自動化されるまでは、ローマ字入力のような適当な打ち方ができません。同時打鍵判定速度を習熟度によって変えることはできますが、意図した文字をタイピングするにあたって、要求されるものがシビアなんですよ。いったん身についてしまうと、この「同じタイミング」で打鍵することが、タイピングのリズムを崩さない素晴らしさを体感することになるのだけど、そこまでいくのにけっこうハードルが高い。

 比較対象がまったくタイピングできないことではなく、すでに身につけたローマ字入力との比較になりますからね。そりゃ「やってらんねーよ」と思ってフツーです。

挫折しないためのモチベーションが大事になる

 そういった意味で、習得にあたって「動機づけ」が重要になります。「親指シフトって良さそう」くらいの感覚で着手した人はもれなく挫折しているようです。

 俺の場合は、はてなのコンビニ店長、宮台真司さん、山本一郎さん、樹林伸さんが親指シフトユーザーということで「いままで見えなかった世界が見えるにちがいない」と盲信しました。
 あと今後の人生でたくさん文章を書くことは目に見えているからです。多作で自分にとって面白いことを書いている人が親指シフトを使っているという事実は、わりと強い動機づけのサボートになるんじゃないでしょうか。わりと文筆家に多いので、調べてみてください。

 なお、親指シフトユーザーは新規参画者にすごくやさしい。


 実は3年前にコンビニ店長も親指シフトに関する記事を書いてくれていたのであった。(下記は店長ブログの転載記事になります。)

kdoki.jp


親指シフトの設定について

 なお、俺はMacBook Airに搭載されているJISキーボードで、フリーソフトのKarabinerで親指シフトをエミュレートしています。
 配列は右手が1行ズレたorzレイアウト。これにより、JISキーボードでも右手親指がムリなくタイピングができています。

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 そういえば親指シフトがオススメなのは、右手小指のひとつ隣が「後退キー(backspace)」に出来ることです。
 ホームポジションをキープしたまま削除ができるのがすごく快適です。あと、orzレイアウトならUSキーボードと同じく、「Enterキー」が小指のホームポジションの隣の隣になるんですよ。これもまた、地味ではありますが、便利になった副産物のひとつです。
 まぁ、このあたりはローマ字入力でもキーボードのリマッピングソフトを使えば実現できるんだろうけど。


 俺がここ半年でいちばんハマっていたのが親指シフトです。ヒマがあってはググって親指シフト関連のサイト・ブログを読み漁り、雑誌のバックナンバーを買ったりしてました。もはやオタクです。


 次は習得方法と習得プロセスに関する記事になります。練習履歴を書いているブログはあれど、そういったことを書いたブログは少なかったため、まとめてみました。

追記:こちらの記事です。

www.fahrenheitize.com

親指シフトに快適なキーボード

 親指シフトを快適に実施するためには、ホームポジションの人差し指の直下に「左右の親指シフトキー」が存在することが理想です。この配列は専用キーボード以外では存在していません。また、同時打鍵を多用するのでキータッチが軽いことが好まれます。

 まずはこれから親指シフトを覚えたい人へ。最近、発売されてFacebookの親指シフトグループにてその心意気を絶賛されているのが「親指シフト表記付きライトタッチキーボード」です。

 極上のキータッチというよりは、初心者に対して、安価に行き渡ることを目的に作られたようです。実際に値段が3,000円ほどです。富士通の専用キーボードはいちばん安くて1.5万円するので、表記付きでこの価格は画期的だと思います。(現在は初期ロットの不良により販売中止していますが、もう少しで復活するかと思われます。 復活したようです。)


 次に高級キーボードの西の横綱、ハッピーハッキングキーボード(HHKB)。親指シフトユーザーでは勝間和代さんや、ものくろぼっくすの大東さんが愛用されています。

 スコスコと気持ち良く打てる打鍵感はファンが多くて、ヤミツキになるみたいです。俺自身は深いストローク感が苦手なので合わないのですが、日野瑛太郎さん・サイボウズ式の藤村編集長は完全にHHKBに殺られているみたいです。
 今ならば、最近出たBluetooth版を購入するのが、スマホやタブレットにも使えて良いんじゃないでしょうか。

fzm.hatenablog.com


 さすがに上位機種ほどのキータッチではないようですが、こちらの廉価版(6,000円くらい)の方が親指シフトに向いている配列になっています。


 そして高級キーボードの東の横綱、Realforceです。種類がいくつかあるのですが、俺が打たせてもらったキータッチがオール30gのモデルは触れるだけでスルスルと打鍵できます。(とはいえ、ストロークが深いのでやはり僕は使いこなせませんでした)
 はてなのコンビニ店長はこれを愛用していたようで、最近ではズイショさんも変荷重モデルを購入されたようで絶賛していました。


 文字入力方式もキーボードも、文房具のようなものなので「書ければいい」ではなく、快適なものを追求していきたいなーと思う。ちなみに俺は新しいMacBookの極薄キーボードがベストっぽいです。あれとまったく同じ外付けキーボードは出てくれないのだろうか……。