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桐谷ヨウ@blog

桐谷ヨウのメインブログ。恋愛・コミュニケーション・海外・文章を書くことについて。


沙村広明『波よ聞いてくれ』ーシャベリが達者な残念美女のドタバタ劇がムチャ面白い

レビュー レビュー-漫画

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俺の漫画と音楽のブレインの兄ちゃん(去年、早い時期にタラレバとかくかくしがじかを教えてくれた人)が教えてくれた漫画がクソ面白い。


ザックリしたあらすじはシャベリが達者なシロウト女子が、飲み屋でクダをまいたオッさん(実はラジオのディレクター)にハメられて、地方ラジオの世界に足を踏み入れていく…といったところ。


この漫画はとにかくテンポが良い。シャベリが上手いという設定を漫画で再現するのは非常に難しいにも関わらず、コミカルに軽妙にたたみ掛けるように描写していく。

たとえばお笑いをテーマにした『べしゃり暮らし』にハマれなかったのは、漫画の紙面で表現された軸が笑いではなく、人情ストーリーのため肩スカしを喰らわされたような気がしたからだった。


この漫画にはそれがない。登場人物との掛け合いがそれを表現しているわけだけど、仕事が出来るこじらせ女子の小気味良さたるや。暴走気味のフルスロットルに巻き込まれる楽しさが見事に再現されている。

俺が好きな女友達はこういうところがあって「なんでこの流れでそのフレーズが出てくるよ!」だったり、「あーはいはい、聞いてほしいんですね」と身構えたらその話自体が面白くて普通に爆笑してしまう、そんなノリを思わされるのです。頭の回転が早いのか、ユーモアというべきか。そーゆー娘、大好き。

漫画における人間関係の描写は難しい部分があって、ままならぬ人間関係をどう描くかに魅力が出る類いのものもあれば(周囲が主人公に簡単に同調行動を取らない)、周囲の人間が雛壇芸人的に振る舞う(主人公が何を言っても盛り上げる)類いのものがある。この漫画は後者なのだけど、まわりの人が良い人すぎて白けるという塩梅でもないところが、非常に良い感じ。


一巻では主人公の恋愛成分がかなり少なめなのだけど、巻末コメントを見たところ今後は期待できそう。ひとまず今巻は主人公の冠番組が現実化したところまでだが、今後のストーリー展開はどんな感じになっていくのだろうか。どうなっていっても面白そう。

テレビからラジオに移ってきたディレクターの過去、意図や背景が読めない他の登場人物の言動という伏線の回収がどのようにされていくのかも期待が膨らむ。まだ既刊が一巻のみというのも手を出しやすくてオススメ。


それにしてもこのテンション、若手漫画家のパッションと思いきや、作者はベテラン。随所にある小ネタが俺にはピンと来ないのは年齢のせいか、サブカル知識が足りていないのか…。

現時点ではシンデレラ・ストーリー、ラブコメ、アラサー啓発…どのジャンルになるか未確定なのですが、特定のジャンルに振り切らずに、このまま読者を振り回してほしい。ともあれ面白いので読んでみてください。


試し読み

第一話はここで読めます。

www.moae.jp