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桐谷ヨウ@blog

桐谷ヨウのメインブログ。恋愛・コミュニケーション・海外・文章を書くことについて。


コラムニストが胸のうちで「膨らませている」もの #ブロフェス2015 あとがきにかえて

告知 告知-イベント後記

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今年のブロガーズ・フェスティバルが終わりました。スタッフ兼登壇者だったのですが、主催側のはからいで登壇に専念させてもらいました。

エッセイスト・紫原明子さん、株式会社Wasei代表・鳥井弘文さんとのセッションは、100点満点だったとは思っていませんが*1、見てくれた人たちも満足してくれたようで嬉しいです。セッションでは時間を気にして喋らなかったことをここで書きます。(とにかく本番中は時間が足りなさすぎた!笑)

コラムニストとライターのちがいについて

今回は第一セッションで朽木誠一郎さんが登壇されていたこともあり、「ライター」と「コラムニスト」の違いを明言し、その前提で話そうと打ち合わせていました。

今回のセッションでは分かりやすく「自分の思いを書くのがコラムニスト」と便宜的に定義しました。


ただ、俺の根本的な考えは、ともに「請負業」であり違いはないということです。クライアントに求められるものの差異にすぎない。優先されるべきものが、明確に決まった対象なのか、書き手の思想自体なのか。もっとシンプルに要件が決まっているもの/決まっていないものと言い換えてもいいかもしれない。

そこに上下も貴賎もなく、ただ、違った種類のスキルがあるということ。そしてときにはもう片方に足を突っ込む器用さも必要になるということを書き手は知っておくべきだと思うのです。


たとえば自分がサイボウズ式やリクナビNEXTで書かせていただく際には、こういったテーマで書いてくれという要望はありつつも、打ち出す思想自体は任せられています。とはいえ、クライアントの品格を毀損するような文章は書けないため、トンマナ(トーン・マナー)に抵触しないことを意識し、指摘があった際にはホイホイ修正しています。

こういった種類の「お仕事」には「自分の思い」を公開するだけではなく、副次的にクライアントの価値を後押しすることが要件に含まれていると考えているから、ツッパるべきでない部分は丸くすればいいのです。クリエイター気質をゴリ押しすることに意味はないと思います。


だからこそ、「書き手」は書く媒体を選ぶべきだと思います。依頼が来るのは嬉しい。だけど、曲げるべきでないと自分が信じるものを曲げざるをえない媒体では書いてはいけないと感じるのです。事実、自分は文章もインタビューも含めて、依頼をけっこう断らせていただいています。(それでも書き散らかして見られるものですが)

そこには自分のネームバリューを高めてくれる媒体か?自分の仕事の幅が広がる媒体か?という打算も含まれて良いと思うのです。そのうえで、鳥井さんが書いていたようにコラムニストとメディアがお互いを高め合う関係になれたら、それ以上のことはないでしょう。

コラムニストにとっての「芸」とは何か?

明子さんはエッセイを「芸」だと捉えてらっしゃいます。(厳密にはエッセイとコラムはちがい、俺自身は彼女のように素晴らしいエッセイ的な文章を書けないと自認しています)

セッションで「読後感から逆算して、文章を書いている」と言いましたが、この"文章の着地点"こそがもっとも難しく、書き手の個性が出るものなのじゃないかと思います。いや、書き手のすべてと言っていいでしょう。そこに惹かれて読者もクライアントも集まるのだから。


明子さんは(教訓の形を取った)エンターテイメントとおっしゃっていて、自分の場合は啓蒙です。俺は読み手が「見えていなかった視点を得ることで、新しい世界が見えて」ほしい。簡潔に言うとテンションが上がってほしい。


自分は文章を他人に教えていた際に「骨と肉を意識してください」と伝えていました。それは自分が伝えたいものを支える文章構成と主張を裏付けるエピソードを意味していました。何のための骨と肉か?

それは文章を通して、おこがましくも自分は何を他人に与えることが出来るだろうか?ということなんじゃないでしょうか。説得力を持たせるに耐えるエピソードにするには、体験の切り売りをするしかないという泥臭さではないだろうか。もっと器用に書ける人はいくらでもいるかもしれませんが、自分のなかにないものを書けない類の書き手は泥臭くてもダサくてもこのやり方をするしかないのだと思います。

同時に、書き手の世界観を表現していくために一文一文は紡がれていくべきなのだろうと思う。字数を埋めるためだけの文章ではなく、世界観のためになくてはならない一文一文を。難しいけれど個人的には大事にしていきたい思想です。

自分の活動のこと

今年は個人的に思うところがあり、Web上の活動を縮小していたのだけど、いま紙の本を書いています。

最近はイベント続きで、傍目にも「連載も書かずに、何をやりたいんだろ?」という感じだったかもしれませんが、それを出す頃にはWeb上での活動も活発にしていく予定です。もうしばらくお待ちいただければ幸甚です。


書籍は一日あたり200冊ほど出版されています。出すだけならばそれほど難しいことではないでしょう。そのなかで埋もれないような一冊を届けることが出来たらと思いながら、いま文章を紡いでいます。ある時期の自分が本によって救われたように、誰かにとってのそれになれたらと胸に秘めながら。連載を楽しみにしてくれていたような人たちを裏切らないものに仕上げたいと思っている次第です。

セッションに関連するレポート

本当はスタッフとしてイベント全体のものをリンクしたいのですが膨大になってしまうため自分たちのセッションに関係するものに限定いたします。

yuriyoshihara.blog.jp

yamayoshi.hatenablog.com

bulldra.hatenablog.com

yayoko314.com

漏れているものは追加しますのでTwitter等でお声がけください。

*1:45分枠に収まるようにかなり絞ったため、この2人にお声がけした際に頭に浮かべた絵は達成できませんでした。いつか機会があれば!